エレクトロポレーション(電気穿孔)法は、電気的に刺激すると小胞膜を通して分子を輸送できると1972年E.Neumannらが報告して以来研究が活発化し、基礎的機構の追及に伴って遺伝子交配等への活用に関する研究がJ.C.Weaverらにより進められてきました。
美容用電気穿孔器はアクシダーム、メソダームからメソアクティス等にイタリアのMicrolab社等を中心に開発され、改良されてきました。医療・美容の有効薬剤を迅速無痛に経皮導入する手法として注目を集めています。
本手法は、電気刺激を与えると角層細胞間脂質や細胞膜にランダムな多数の親水性孔を惹起し、開孔時に物質の出入りをもたらしますが、最終的に皮膚は元に戻るとされています。
Weaverによる電気穿孔の本質的特長は
1. 脂質二重層膜の荷電と放電
2. 短い電気パルスの適用
3. 迅速局所的な膜内構造再構築と緩徐な膜修復
4. 膜の穿孔(親水性孔群の生成)
5. 経皮(膜)輸送量の驚異的な増加、からなります。
エレクトロポレーションは、分子サイズ、電荷の有無に関係なく、無痛で導入できます。
導入不可能とされていた大きな分子量のコラーゲンや、ヒアルロン酸、また、トラネキサム酸に至るまで、全て無痛で導入可能となりました。注射のように痛みを伴いません。
当然、皮膚に跡や傷は残らず必要な部分に直接、必要なだけ必要な成分を入れ込むことができるのがエレクトロポレーションです。